Riot GamesのeSports配信へ掛ける熱量がすごすぎる #reinvent
こんにちは。ゲームソリューション部の出村です。AWS re:Invent 2022 のセッションである「AWS re:Invent 2022 - How Riot Games is reinventing remote esports broadcasts」のレポートをお届けします。
セッション概要
Throughout the COVID-19 pandemic, Riot Games kept its esports rolling with a cloud-based workflow built on Amazon EC2. Now, Riot is taking it to the next level with Project Stryker, a set of three remote broadcast facilities and a follow-the-sun operations model. Utilizing Amazon WorkSpaces and AWS Elemental, Riot strives to build the first-of-its-kind cloud-native remote broadcast operations model in order to produce its largest global esports events, League of Legends Worlds and VALORANT Champions. In this session, follow Riot’s esports journey from a stopgap solution to laying the foundation for the next generation of esports fandom.
スピーカー
- Ashwin Raghuraman, Sr. Solutions Architect, Amazon Web Services
- James Wyld, Principal Infrastructure Engineer, Riot Games
- Mauricio Wecker, Principal Network Engineer, Riot Games
アジェンダ
Riot GamesはeSportsの配信に熱心に取り組んでいるゲーム会社のひとつです。Riot Gamesはその配信システムをAWS上に構築しています。では、そのようなeSportsの配信の経緯、AWSとどのように協力してオンライン配信の環境を構築したのかについて解説します。
詳細については、AWS re:Invent 2022 - How Riot Games is reinventing remote esports broadcasts (CMP311) - YouTubeで述べられているので、そちらをご覧ください。
内容
eSportへの取り組み
Riot Esportsの独自ミッションは、何十億ものeSportsファンに喜びをもたらすことです。住む場所、鑑賞環境、話す言語に関係なくです。ここの数十億というのは間違いではなく、それだけ壮大な目標を立てているという意味があります。
Riot GamesはeSportsをどのように再定義しているかについて解説します。まず最初にユーザーを驚かせ喜ばせる新しい方法を常に模索しています。
このような体験を提供し続けることはチームにとっては大きな課題ですがAWS のようなパートナーと協力することで、最新かつ最高の技術が活用できます 。
新型コロナウイルスの影響
以前はこのような配信用のトラックを使って世界中に配信を行っていました。
しかし2020年3月に私たちは新型コロナウイルスの流行によってオフィスから締め出されました。これにより従来の機材を利用することはできませんし選手たちはステージに遊びに来ることもできなくなりました。
ユーザーも期待しているので、今後も継続的に配信していかなければなりません。この配信をどのように継続するかという課題に対してはTwitchやYouTube のストリーマーを参考にコンテンツ配信を行う方法を検討しました。私達の行っている配信はもっと複雑なものです。
この配信を行うにあたって重要な二つの目標がありました 。ひとつが各個人のインターネット接続環境に依存しないことです。そしてもう一つは膨大なデータを処理しないといけないことです。これらについては以前であればカスタムチップが必要でしたが、今はクラウドがあります。
その時の構成はつぎの通りです。
Riot Directについて
Riot Directについて説明します。これは社内のISP(インターネットサービスプロバイダ)のようなものです。プレイヤーがゲームサーバに直接接続できるグローバルネットワークです。
このようなサービスが必要になった理由としては、個々のISPがどのように接続されているか、またその品質がどうなっているかを理解するには時間がかかりますし、正確ではありません。そのため、このようなサービスを運営することでゲームプレイが安定します。
プレイヤーのレイテンシーを下げることに主眼をおき、数ミリ秒という単位になっています。Riotのデータセンターチームは現在シカゴにあり、ほぼ85%のプレイヤーが80ミリ秒以下でプレイできるようになりました。
Riot Directは約50箇所に設置され、約90箇所のインターネット交換ポイントに接続されています。これにより、世界中のプレイヤーにサービスを提供できるようになっています。このようなネットワークの拡充ができたので、最新作のひとつである「Valorant」が発売できました。
eSportsのバックボーンはこのようになっています。インターネットを調達するのではなくPoint to Pointのようなものを調達しています。ネットワークプロファイルも熟知しています。これらによってeSportsスタジオはコンテンツの交換ができるようになりました。
配信にしろゲームにしろトラフィックは小さなUDPパケットが流れており、その数が非常に多いです。ですのでゲーム用の理想的なネットワークを構築すると、結果的に放送用の理想的なネットワークも構築しているのです。
PROJECT STRYKER
PROJECT STRYKERとは、3つのRiotの遠隔による放送センターのことです。最初にアイルランドのダブリンにナイトクラブを改造して建設されました。
この放送センターはその視聴の仕方や話す言語に関係なく eSports ファンに喜んでもらうことを目的としています。すべての動画を素早く配信することができるようになっています。
このPROJECT STRYKERは今後の10年のための基盤となります。
このPROJECT STRYKERで建設された放送センターは意図的に遠隔操作を行うためのコントロールルームとなっています。つまり、世界中のどこで開催されているイベントであろうとも利用できるように設計されています。
また、STRYKERではAWSリージョンと接続されています。ですので、このスタジオで扱われている映像などのリソースがRiotのデータセンターであっても、AWSであっても扱えるようになっています。どちらで扱うかは、そのときの状況に応じて使い分けることができるようになっています。
オペレーターはAmazon workspaceを利用しています。そのため、複数のPCといった機材を持ち運ぶ必要がありません。
では、エンコードのワークフローをみていきます。JPEG-XSという一瞬でエンコードできるエンコーダを使用しています。そこでは秒間数百メガビットというデータを扱います。これらをAmazon Media Connectに取り込み、MediaLiveでエンコードされ、TwitchやYouTubeで配信されます。
まとめ
このようにRiot Gamesではゲーム開発と同じくらいの熱量でeSportsやそのゲーム配信についても課題を解決していることがよくわかりました。
ユーザの遊びやすさを追求していった結果、このような動画配信までできるようになるとは全く想像していませんでしたが、話をきいていくと、なるほどと思わされる箇所も多かったのが印象深かったです。